2014年7月20日日曜日

おかね


”お金儲けは悪いことですか?”
と、昔誰かが言ってたっけ…。

0. Gold Rush
 小さい頃、大阪の造幣局へ社会見学かなんかで行った記憶があります。

 うちは貧乏で、そのころは世間も不景気だったと思う。
 大量のお札が印刷されるのを見ながら、
 「みんな"お金がない、お金がない"って言ってるけど…
 がんばって刷ればいいじゃん。」
 と、思った記憶がある。
 ま、それじゃダメだから、今も不景気なんだろうけど。

 なんで?
 と、いうことで考えてみました。


目次
 1. お金って…何?
 2. 経済発展
 3. お金って便利
 4. 景気対策
 5. 資本主義の限界?
 6. お金儲けは悪いことですか?



1. お金って…何?
 世界がもし、2人だけの村だったら…。
 一人が山でイモを掘ってます。
 もう一人は海で魚を捕ってます。
 山の人は魚が欲しいなーと思いました。
 海の人はイモが欲しいなーと思いました。
 で、
 
 


 交換!終了!!
 …お金は?

 と、いうふうに本来お金なんてものは必要ない物なのです。
 ただこれに”イモは1個100円、魚は1匹100円ね”と決めてるだけで、
 あってもなくってもいいものなのです。



 なので、"お金儲けが良いか悪いか"という議論は
 あってもなくってもいいものに対して善か悪かってことで、
 本質を見失ってる気がします。

  と、いうわけで不景気の時にお金たくさんばらまいても、
 意味はありません。
 上の例で200円投入したところで、魚一匹<->イモ一個
 っていう状況は変わらないのです。
 二人とも使わない(世の中に出回らない)100円ができるだけ。
 か、魚1匹200円、イモ1個200円になるか。
 要はお金ってものには本来実体はなく、
 経済活動 = もの(価値)の交換活動の状態を表す
 バロメータにすぎないのです。
 お金はいろいろ便利なのでみんな使ってるけど、
 それによって分かりにくくなってる面もある。
 本来お金は実態がないものなのに、逆にお金に踊らされる。


2. 経済発展
 では、経済が発展するって、どういうことでせう?
 なんか世の中では"たくさんお金が出回ること"が
 "経済が発展してる"ってことらしい。

 んが、さっきみたように、お金ってやつはたんなるバロメータ。
 お金だけいっぱいあっても意味がない。
 で、いったんお金のことを忘れる。
 さっきの例に戻って…
 山の人が魚をもっと食べたいと思いました。
 海の人がイモをもっと食べたいと思いました。
 


 
 はい、経済が発展しました。
 ここで、さっきと同様に魚100円(1匹)、イモ100円(1個)とすると…

 

 世の中に出回ってるお金が200円から400円になってる。
 ので、前の状態より
 ”たくさんお金が出回ってる”=経済が発展したってことになる。

 要は経済が発展するってことは、「欲」が増加するってことです。
 先の例は個人の欲が増大する例ですが、欲を発する「人」が増えてもいい。
 
 

  先進国の企業が、まだいろいろ物が出回っていない、人口も多い途上国に
 やっきになって進出しようとしてるのはこのためです。

 また、イモや魚みたいな、もの的なものでなくても「価値」の交換がなりたつ。
 例えば、とても歌のうまい人がいたら、その人の歌を聴きたいと思う人が出てくる。
 で、その人にイモや魚を献上する(お金払う)。
 さらに、イモや魚みたいな生活必需品でなくても、車みたいな便利グッズを
 誰かが開発すると、それを欲しいと思う人が出てくる。
 で、その人にイモや魚を献上する(お金払う)。
 
 


 だいぶ経済発展しました。
 どれくらい?
 本質的には、
 ”音楽鑑賞できるようになった”、”車で移動が楽ちんになった”
 ”6人養えるようになった”...なんですが、めんどくさい。
 いうまでもなく、現実社会ではもっと複雑で表現しにくいので、
 (世の中に出回ってるお金が)200円から1,200円にまで発展した。
 と、お金を使って表現されてるのです。
 
 
 

 と、いうわけで経済が発展するためには「欲の増加」が必要となります。
 と、同時に欲を満たすための「技術革新」が必要になってきます。
 前述の例のように、魚を1匹とってたのを、2匹とるくらいだったら、
 がんばればなんとかなりそうですが、
 一人で数百、数千、数万人分の魚とるとなると、
 努力と根性だけではいかんともしがたい。
 で、船にモーター付けたり、魚群探知機開発したり、輸送手段なんかも改良したり。
 また、車の例のように新たな技術が新たな「欲」を生み出したりもします。



3. お金って便利
 と、見てきたように、お金と言うものは本来実体を持たない。
 ただの紙です。それを人が、勝手に"ある一定量の価値と等価"と、
  決めてるだけなのです。

 本来なくってもいいのに、わざわざ使ってるのは…便利だから。
 まず、魚を買いに行くのにわざわざイモを持って行かなくっても済む。
 楽ちんです。
 で、2.で述べたように、経済活動の動向を知ったり、
 分析したりするのに便利です。

 
 と、もう一つ他に「借金ができる」というメリットがあります。
 不漁の時に「ごめんねー。こんどいっぱい捕れた時返すから~。」
 みたいな場合もそうですが、2.でみたように、経済発展には「技術革新」が
 必要で、そのための研究・開発にはお金がかかります。
 で、お金を借ります。
 成功すれば、生産性が上がったり、新たな「欲」を生み出したりします。
 なので、魚の時とは違って借金とは呼ばず、投資と呼ばれます。
 が、成功しなければただの借金です。


4.景気対策
 と、いうわけで、景気を良くしたければ、
 どんどん貪欲になって、その欲を満たすために
 がんばって働いて、新しい技術や物(新たな欲)を生み出せばよいのです。
 要は「活力」がどれくらいあるかが経済力を決めるのです。
 つまり、元気が一番です。元気があれば、何でもできます。

 戦後、日本は経済大国になりましたが、
 昔は物がなくって、欧米の生活にあこがれて、テレビや冷蔵庫や
 洗濯機や自動車やら、欲しいものがたくさんありました。
 で、おとうさんは一家の大黒柱としてがんばって働いてました。
 職人気質のじーさんや、おっちゃんがたくさんいて、
 技術力もどんどんあがりました。

 アメリカなんかは、常に"俺様がヒーロー"、"アメリカンドリーム"
 の名の下、常に活力がある。だから、アメリカ経済強い。

  そー考えると、今の日本はどうなんでしょう…。
 ものはあふれかえってるし…。
 ちゃら男は増殖中みたいだし…。

 でも、ま、なんとかしなきゃということで政府はいろいろ対策を講じます。
 金利操作したり、公共事業増やしたりします。
 が、要はお金をばらまいてるだけです。

 
 が、本質的には1.で述べたようにお金ばらまいても意味がないのです。

 が、現実世界ではそーでもない。
 お金たくさん持つと、ちょっとぜーたくしてみようかなーって気になる。
 つまり、欲が増える。
 本来、世の中の欲(価値)を表現するための存在が、
 その存在によって、逆に欲を生み出す。
 つまり、"お金に踊らされてる"状態ですねー。

 2.でみたように、経済発展には「欲」の増加が不可欠なので、
 頭のいい人たちはあの手この手で人々の欲を煽り立てるのです。
 が、本質はやっぱりお金じゃないので、うまくいかなかったりもします。
 欲につながらず貯金する人多かったり、
 また、一時お金が出回っても「技術革新」につながらないと、続かない。

 バブルはじけたあたりの政党がなんかそんなことしてましたね。
 わけわかんない補助金出したり、わけわかんない公共事業や施設作ったり。
 とりあえずお金ばらまけばいいだろう的な発想な気がする。

 逆に、経済回復しないのをなんでもかんでも政府のせいにするのもどうでしょう。
 本質は自分たちが「活力」を生み出すかどうかにかかってるので、
 "踊らされる"か"自ら踊る"かの違いだと思うんだけど…。
 ま、法整備によって、踊りやすい、踊りにくい環境ってのはあると思いますが。


5.資本主義の限界?
 資本主義社会は続かない。と、言ってる人がいるらしい。
 
 どうなんでしょう。
 今までの考察からすると、人々の欲が満たされた時、資本主義は終わる。

 
 と、言う話を友達にしたら、
 "いや~、人の欲望は限りないからねぇ。"
 って答えが返ってきた。
 ん~、そうかも。
 "車あげる"、"マンションあげる"、"A○B48のブロマイドあげる"…
 って言われたら、"あ、ありがとうございます"、"ありがとうございます"…
 と、際限ないかも。

 でも、この場合の欲は無条件に与えられるものでなく、
 対価を払っての交換で行われる。
 
 "これあげるから、10時間残業してね"って言われたら…。
 ブロマイドはそこまでして、いらんかなぁ…。
 ってことになる。もちろん、する人もいるかもだけど。
 つまり、無条件に与えられる場合だと、確かに際限ないかもだけど、
 労働と対価となると、どこかで"これ以上は無理っす…"ってところが出てくる。
 
 で、ここでも「技術革新」が重要になってくる。
 技術革新によって、10時間かかってた仕事が、5時間で済むようになったら、
 "10時間働いてまで欲しくないけど、5時間だったら、頑張ろうかなぁ"
 ってことになる。

 んが、それにしても限界あるかもだし、なによりこの場合は
 "欲しいし、頑張りたいけど、無理!"って場合で、
 "いや~、もう今のままで十分満足っす"ってことになると、
 終わるかも…。
 



6.お金儲けは悪いことですか?
 金、金、金…金の亡者か!
 と、お金儲けは悪いことのようにとらえられ、
 "資本主義社会はだめだー"と、考える人もいるようです。

 資本主義社会の根幹(経済発展の根幹)は「欲」の増加。
 と、表現してきましたが、
 確かに、"車欲しい"、"良い服着たい"、"豪遊したい"、"宝石欲しい"…
 というのも欲ですが、
 "飢餓で苦しむ人に食料を届けたい"、
 "途上国の子供たちに学校行かせてあげたい"
 "病気の人たちを助けたい"…っていうのも「欲」です。

 ま、前者が悪で後者が善かって議論は置いといて。

 要は「欲」っていうのは誰かが何かしたい、何か欲しいってことで、
 資本主義社会はその「欲」の増加を良しとするシステムなだけであって、
 「欲」の内容を定めてるわけじゃない。
  仮に今の資本主義がダメだとするならば、
 それは資本主義がダメなんじゃなくって、
 それを構成する人々の価値観がイケてないってことだと思うのです。
 システム(や政府)がどうのと批判するより、
 人々(自分含めて、国民)がどうなん?ってことだと思うのです。

 人の本質によって良し悪しが分かれるシステム(資本主義のことね)
 において残念な結果になるってことは、
 その人々の本質が残念なものであるってことであって、
 それを他のシステム(共産主義や社会主義ね)によって
 無理やり良いとされる状態に持って行こうとしても
 ひずみが生じるのは自明の理だと思うのです。

 それでも強制しようとするなら、暴力・恐怖によって従わせる他ない。
 "いやいや、そんなことしなくっても、教育やなんかで実現できるよ…。"
 と、いうのであれば、初めに戻りますが、資本主義社会でも実現可能なはずです。
 要は資本主義社会っていうのは、善悪を定めない。
 良し悪しは、その時、その社会を構成する人々によって定められるシステムだと
 思うのです。
 
 「しあわせ」でも書きましたが、
 人の価値観は個々で違う。
 個々の価値観でさえ、時間とともに変わる。
 恒久的な幸せの形を誰かが定めるなんて不可能。
 そういった点からも、資本主義社会はなかなか良いシステムだと思うのです。

 
 
  おしまい

 
 
 
  

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